TPRとは?子どもが楽しみながら英語を習得できる秘訣を解説!皆さんは『TPR』という外国語の教授法をご存じですか?TPR(Total Physical Response)とは、身体の動きを使って言語を学ぶ教授法で、近年は小学校の授業などでも取り入れられ始めています。本記事では、TPRの基本概念や具体的な活用法、メリット・デメリットについて詳しく解説します。TPRとは?英語教育における基本概念TPRとはどのような教授法なのか、基本的な概念を理解することが大切です。ここでは、TPRの定義やその特徴について詳しく解説します。TPR(Total Physical Response)の定義と特徴TPR(Total Physical Response)とは、アメリカの心理学者であるジェームズ・アッシャー博士によって提唱された教授法で、日本語では「全身反応教授法」と訳されます。言葉と一緒に身体の動きを取り入れることで、自然に言語を習得できることが特徴です。主に幼児や初心者向けの英語学習で活用されており、指導者の指示に対して動作を行うことが基本です。このレッスン形式には、子どもの母語学習の過程が深く関わっています。母語を学習する子どもは、言葉を話すようになるまで周囲の言葉を吸収し続けます。しかし、言葉が理解できてもすぐに話せるようになるわけではありません。その代わりに「こっちにおいで」「おもちゃをとってみせて」といった声かけに対し、指示された動作をして見せるようになります。理解したことを言葉ではなく動きで示すのです。そうして十分に準備ができた時にようやく言葉を話し始めます。TPRではこういった過程を応用しているのです。そのため、スピーキングを強制しないということも特徴です。TPRのメリット・デメリットとは?TPRには多くのメリットがありますが、それと同時にデメリットも存在します。ここでは、初心者に適している理由と、注意すべきポイントを紹介します。TPRの3つのメリット|初心者に最適な理由1.楽しく学べるTPRは「動きを取り入れる」という特性上、ゲーム感覚で言語を学習できます。言葉の意味が分からなくても動作と連動させて覚えていくので定着しやすく、子どもだけでなく初心者に向く学習法といえます。2.言葉をスムーズに理解できるTPRでは、動作を通じて言葉を体験することで動きと言葉を連動させて覚えられます。視覚的・身体的に記憶に残りやすいというのは大きなメリットでしょう。3.発話者のプレッシャーが少ない前述の通り、TPRではスピーキングの強制はしません。リスニングという受動的な学習からスタートできるため、初心者や話すことに自信がない子どもにも適しています。TPRのデメリット|中級者以上には向かない?TPRは子どもや初心者には効果的ですが、次のようなデメリットも存在します。1.抽象的な概念を教えるのが難しい「jump」「touch」など、動作で表現しやすい言葉の習得には非常に効果的なTPRですが、逆に「love」「believe」といった抽象的な言葉を学習するのには不向きです。事前に、どのような言葉を学習するのかターゲットを決めることが重要です。2.生徒が退屈してしまう恐れがあるTPRは指導者が中心となってレッスンを行うという特性上、子どもたちにスピーキングが求められる機会が少ないです。そのため、一部の子どもたちにとっては退屈に感じてしまうかもしれません。ただ、このデメリットは「生徒の中にも指示役を作る」といった工夫で軽減できます。TPRはいつまで使うべき?効果的な活用期間TPRは、一般的に幼児〜小学校低学年までの「英語学習の導入期」の子どもや、初心者の大人に効果的な指導法です。中級レベル以上の場合はその他の指導法と組み合わせるのが望ましいです。TPRの具体的な実践方法|エコール外語でのレッスンについても紹介ここまでで、TPRについて大まかな部分はご理解いただけたかと思います。では、具体的にどのようなレッスンを行うのでしょうか。ここでは、当教室のレッスン内容も交えながらTPRの具体的な指導方法を解説します。TPRを取り入れた指導法TPRの導入では、「指導者の指示→生徒が動く」といった流れで進めることが多いです。まずは指導者が指示を出し動きの手本を見せて、生徒がその動きをマネすることを繰り返します。基本導入の流れ指導者が動作を見せながら指示を出す(例:“Clap your hands!”と言いながら手をたたく)生徒が指導者の動きをマネする指示のみで実践する(指導者は動かずに言葉だけで指示を出す)生徒がペアになりお互いに指示を出し合う生徒が慣れてきたらだんだんとゲーム形式に発展させましょう。例として、エコール外語でもよく行っている『サイモン・セッズ(Simon Says)』というゲームを紹介します。Simon Says『Simon Says』は英語圏の小学校などでよく行われるゲームです。ルールは主に以下の3つです。子どもたちは指導者の「Simon Says…」の後に続く指示に従う「Simon says」がない場合は動いてはいけない間違えてしまった子どもは脱落していき、最後まで残った子どもが勝ち例えば、「Simon says Clap your hands three times!’」と言ったら、子どもたちは3回手を叩かなければなりません。単純なルールですが、指導者が指示の速度を徐々に早くすることでゲームがさらに盛り上がり、リスニング力の向上も見込めます。エコール外語では、上記以外にもさまざまなゲーム・プログラムを用意し、楽しく自然に英語が身につくようなレッスンを実施しています。TPRと他の英語教授法との違い英語の教授法には、TPR以外にもさまざまなものがあります。それぞれの特徴を理解することで、より効果的な英語教育が実現できるでしょう。ここではTPRとそれ以外のメソッドについての違いや、組み合わせ方について解説します。TPRとCLILの違い|目的別に使い分ける方法CLIL(Content and Language Integrated Learning)は内容言語統治型学習といわれ、さまざまな教科科目を外国語で学ぶ教育手法です。TPRは特に語彙や基本フレーズの習得に優れていますが、CLILはより実践的な英語運用能力を伸ばすのに役立ちます。基礎段階ではTPRを活用し、一定の理解力がついたらCLILに移行することで、より高度な英語力が身につけられます。TPRとフォニックスの組み合わせは有効?フォニックスは、文字と音の関係を学ぶ指導法です。TPRと組み合わせることで、リスニングと発音を強化しながら、自然に単語の読み書きスキルを身につけられます。例えば、「Jump」という単語をTPRで動作とともに覚えた後、フォニックスで「J-U-M-P」の音を学ぶことで、より深く理解できます。このように、TPRとその他の学習方法を掛け合わせることで、より効果的に英語を身に付けられます。まとめ子どもの英語学習において最も重要なことは、学習を楽しむことです。TPRを活用することで、身体を動かしながらゲーム感覚で英語を習得できます。エコール外語では、お子さまの年齢や学習レベルに応じて適切なレッスンをご提案します。無料体験レッスンも実施していますので、ぜひ一度ご参加ください!