英検(実用英語技能検定)に新しい級が追加されることをご存知でしょうか。2025年度からは準2級と2級の間に位置する「準2級プラス」が導入され、さらに2026年度の第3回検定からは「6級」「7級」も新設されます。英検に新しい級が誕生したのは実に31年ぶりの出来事であり、英語学習者にとって大きな変革期を迎えているといえるでしょう。本記事では、英検の新しい級について、導入時期やレベル、試験内容、大学入試への影響まで詳しく解説します。これから英検受験を検討している方や、お子様の英語学習を考えている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。英検の新しい級はいつから始まる?導入スケジュールを確認英検では、2025年度と2026年度に段階的に新しい級が導入されます。まずは具体的なスケジュールを把握しておきましょう。準2級プラス:2025年度第1回検定から開始準2級プラスは、2025年度第1回検定(2025年5月末〜6月頭の一次試験)から導入が開始されました。準2級と2級の間に位置する新たな級として設置され、高校2〜3年生程度の英語力を測定することを目的としています。日本英語検定協会は、準2級プラスの名称に「プラス」を採用した理由として、「前向きに」「ポジティブに」という思いを込めたと説明しています。英語学習者が準2級を取得した後、2級に向けてステップアップする際の中間目標として活用してほしいという意図が込められているのです。6級・7級:2026年度第3回検定から開始2025年11月27日、日本英語検定協会は英検に「6級」と「7級」を新設することを発表しました。導入は2026年度第3回検定(2027年1月実施分)からとなります。従来の5級から1級までの8つの級に加え、基礎レベルに位置づけられる2つの級が新設されることで、英検を活用した「生涯にわたる英語能力育成」のスタートラインが早まることになります。6級は小学校高学年から中学校入門期、7級は小学校中学年の英語学習に対応する予定です。なお、6級・7級の具体的な問題形式や難易度については、今後あらためて公表されるとしています。準2級プラスとは?レベル・難易度を徹底解説準2級プラスは、準2級と2級の間に存在する「高い壁」を解消するために新設された級です。その背景やレベル感について詳しく見ていきましょう。準2級プラスが新設された背景英検協会の受験者データによると、5級から準2級までは各級の合格に要する期間がおよそ1年であるのに対し、準2級合格者が2級に合格するまでには約2年近くかかっていることが明らかになっています。5級から2級までの全級合格者のデータでは、準2級から2級の合格期間は約18か月(1年6か月)にも及びます。教員や生徒からも「準2級と2級の間には高い壁がある」「2級の単語レベルは準2級までとは段違い」「英検2級は応用力が求められ、自ら考えて実践的に英語を使う力が必要」といった声が多く寄せられていました。準2級プラスは、この大きなギャップを埋め、学習者に身近な目標を提供するために誕生した級なのです。準2級プラスのレベル・審査基準準2級プラスの審査基準は「身近な話題であれば、社会生活に必要な英語を理解し、また使用することができる」と設定されています。英検Can-doリストによると、準2級プラスでは「身近な社会的な話題について、概要や要点、詳細を理解したり、情報や自身の考えを多様な語句を用いながら詳細に伝えることができる」ことが求められます。各級で扱うトピックの違いを整理すると、以下のようになります。準2級:日常的な話題準2級プラス:身近な社会的な話題2級:社会的な話題準2級プラスは「身近な社会的話題」を扱うため、準2級よりは抽象度が高くなりますが、2級ほど社会性の高い内容は問われません。高校2年生にとって適切な英語力を測定する級として位置づけられています。合格基準スコアとCEFRレベル準2級プラスの合格基準スコア(英検CSEスコア)は1829点です。一次試験と二次試験を合わせた4技能総合スコアで判定されます。CEFRレベルについては、4技能総合スコアが1700〜1949の場合は「A2」、1550〜1699の場合は「A1」と判定されます。1950〜2500の場合は、準2級プラスで算出できる上限として「A2」が表示されます。準2級プラスの試験内容・問題形式準2級プラスの試験構成について、一次試験と二次試験に分けて解説します。一次試験の構成準2級プラスの一次試験は、筆記(リーディングとライティング)85分、リスニング約25分で構成されています。試験時間は英検2級と同じ設定です。リーディングの問題構成は以下の通りです。大問1:短文の語句空所補充問題(17問)大問2:長文の語句空所補充問題(6問)大問3:長文(Eメールと説明文)の内容一致選択問題(8問)ライティングは2問出題されます。大問4:英文要約問題(1問)大問5:意見論述問題(英作文)(1問)リスニングは2つのパートで構成されています。第1部:会話の応答文選択問題(15問)第2部:文の内容一致選択問題(15問)「準2級プラス」という名称から準2級に近い印象を受けるかもしれませんが、実際の問題形式・問題数は2級と同様です。「2級の試験を易しくした内容」というイメージで捉えておくとよいでしょう。二次試験(面接)の構成二次試験はスピーキングテストで、試験時間は約7分です。面接官との対面形式で行われ、英語でのコミュニケーション能力が評価されます。二次試験の合否はスピーキングのスコアのみで判定されます。検定料について準2級プラスの検定料(税込)は以下の通りです。英検(従来型)本会場受験:8,700円(団体・個人)英検(従来型)準会場受験:6,400円(団体申込のみ)英検S-CBT:9,300円英検S-Interview:9,300円6級・7級の新設で英検はこう変わる2026年度第3回検定(2027年1月実施分)から導入される6級・7級について、現時点で公開されている情報を整理します。6級・7級の対象レベル6級は小学校高学年から中学校入門期の英語学習に、7級は小学校中学年の英語学習に対応する予定です。従来の5級よりも基礎的なレベルに位置づけられ、英語学習を始めたばかりの児童でも挑戦しやすい級として設計されています。小学校では2020年度から英語が正式教科となり、3年生から外国語活動、5年生から教科としての英語学習が始まっています。6級・7級の新設は、この英語教育の早期化に対応したものといえるでしょう。<関連記事>小学生の英語学習法|初心者におすすめの学習方法と楽しく続けるコツはこちら英検の級構成はどう変わる?6級・7級が導入された後の英検の級構成は、以下のようになります。1級(大学上級程度)準1級(大学中級程度)2級(高校卒業程度)準2級プラス(高校2年程度)※2025年度〜準2級(高校中級程度)3級(中学卒業程度)4級(中学中級程度)5級(中学初級程度)6級(小学校高学年〜中学入門期)※2026年度第3回検定〜7級(小学校中学年)※2026年度第3回検定〜従来の8つの級から10の級へと拡大し、より細かく英語力を測定できる体制が整うことになります。<関連記事>小学生の英検®対策|何級から受ける?おすすめの勉強法や教材を解説2024年度の問題形式リニューアルも押さえておこう英検は2024年度第1回検定から、3級以上の級(1級、準1級、2級、準2級、3級)において問題形式がリニューアルされています。新しい級の情報と合わせて、変更点を確認しておきましょう。ライティングが1題から2題に増加2024年度リニューアルの最大の変更点は、ライティングの問題数が1題から2題に増加したことです。1級・準1級・2級では、従来の意見論述問題に加えて「要約問題」が追加されました。長文を読んで内容を英語で要約する形式で、読解力と表現力の両方が問われます。準2級・3級では「Eメール問題」が新たに導入されています。友人から届いたメールへの返信を書く形式で、コミュニケーションの場面を想定した実践的な英語力が測定されます。リーディングの設問数は削減ライティングの増加に伴い、準2級以上の級ではリーディングの問題数が削減されました。ただし、出題内容や形式そのものに大きな変更はありません。試験時間の変更準2級と3級は試験時間が延長されています。準2級は従来の75分から80分に、3級は50分から65分に変更されました。なお、2025年度第1回からは、要約問題の語数指定が「目安」から明確な指定に変更されています。たとえば、2級では「Suggested length: 45-55 words」から「Summarize it between 45 and 55 words.」という表記に変わりました。ライティング対策に不安を感じたら新しい要約問題や英作文の対策は、独学ではなかなか添削が難しく、正解がわからず不安を感じる方も多いはずです。エコール外語では、新形式に対応したライティング指導も徹底して行っています。>> エコール外語のコース一覧を見る英検と入試の関係性英検は多くの高校入試・大学入試で活用されており、新しい級の導入は入試にも影響を与える可能性があります。大学入試での英検活用状況現在、多くの大学が一般選抜や総合型選抜において英検の資格やスコアを活用しています。活用方法は大学によって異なりますが、主に以下のパターンがあります。出願資格として一定の級やスコアを求める合格級やスコアに応じて加点する英語試験の得点を一定点数に換算(みなし満点など)特色入試で高い英語力を持つ受験生を優遇する大学入試では、CEFR A2〜B1レベル(英検準2級〜2級相当)を出願要件や加点要件とするケースが多く見られます。B2レベル(英検準1級相当)以上になると、さらに優遇措置が充実する傾向にあります。また、大学入試だけでなく、高校入試でも優遇制度があります。公立高校では2級合格に対して8割のみなし点があり、準1級なら10割認められています。私立でも各学校で英検活用があるので、エコール外語のある大阪地域では、中学生の間に2級合格を目指す人が多くいます。準2級プラスは入試に使える?準2級プラスが導入されたことで、入試での活用も今後広がっていく可能性があります。準2級と2級の間のスコアを持つ受験生にとって、新たな選択肢となるかもしれません。入試に英検のスコアを利用したい受験生は、志望校の募集要項を早めに確認し、必要な級やスコアを把握しておくことが重要です。また、出願締め切りから逆算して、余裕を持った受験スケジュールを立てましょう。英検各級のレベルとCEFR対応表英検の各級がどの程度の英語力に相当するのか、CEFRとの対応を確認しておくと学習計画を立てやすくなります。英検の級とCEFRの対応関係CEFRは外国語の習熟度を測る国際的な指標で、英検CSEスコアを通じてCEFRレベルに換算できます。英検の級CEFRレベル目安となる英語力1級C1熟練した言語使用者準1級B2自立した言語使用者(上級)2級B1自立した言語使用者(中級)準2級プラスA2基礎段階の言語使用者(上級)準2級A2基礎段階の言語使用者(上級)3級A1基礎段階の言語使用者(初級)4級・5級A1以下基礎段階準2級プラスはCEFRレベルA2に対応しており、「Independent User(自立した言語使用者)」に近づきつつあることを証明できる級として位置づけられています。CEFRレベルを活用するメリットCEFRレベルを把握しておくことで、英検以外の試験(TOEIC、TOEFL、IELTSなど)とのスコア比較も容易になります。海外で自分の英語力を示す際にも、「英検○級です」よりも「CEFRの△レベルです」と伝えた方が理解してもらいやすいでしょう。大学入試や就職活動において、英検のスコアをより効果的にアピールするためにも、CEFRレベルへの換算を意識しておくことをおすすめします。準2級プラスの効果的な対策方法準2級プラスに合格するための対策ポイントを解説します。2級の問題形式に慣れる準2級プラスの試験内容は2級に近い構成となっているため、2級の過去問や問題集を活用した対策が有効です。大問の数や問われる内容・形式が準2級とは異なるため、準2級の延長として考えるのではなく、2級寄りの対策を意識しましょう。特にライティングでは、準2級にはない英文要約問題が出題されます。2級の要約問題を参考に、パラグラフごとに要点を捉える練習を積んでおくことが大切です。社会的なニュースに関心を持つ準2級プラスでは「身近な社会的な話題」が扱われます。日常的な話題を扱う準2級とは異なり、ある程度社会性のあるテーマについて読み、聞き、話し、書く力が求められます。サンプル問題では「Local Foods(地元産の食品)」「The importance of smell(においの重要性)」といったトピックが出題されています。日頃から新聞やネットニュースの見出しに目を通し、社会的な話題への関心を高めておくとよいでしょう。知っているトピックであれば内容を把握しやすくなるため、背景知識を増やすことは読解やリスニングの得点アップにつながります。重要な文法事項を確認する文法知識は空所補充問題で直接問われることは少ないものの、読解やライティングを正確にこなすためには欠かせません。特に以下の文法事項は重点的に確認しておきましょう。使役動詞(make/have/let+O+原形不定詞、get+O+to不定詞)関係代名詞の使い方過去分詞・現在分詞の後置修飾形式主語・形式目的語の構文(It is ~ to do、I find it ~ to doなど)ライティングにおいて多様な表現を使えるようになるためにも、文法の基礎固めは継続して行いましょう。語彙力を強化する準2級プラスでは、準2級よりも抽象度の高い話題を扱うため、より幅広い語彙力が求められます。社会的なニュースに触れた際は、関連する英単語や表現も合わせて学習することで効率的に語彙を増やせます。2級合格を見据えて、英語のニュースを読む習慣をつけることもおすすめです。簡単な英文ニュースサイトから始めて、徐々にレベルを上げていくとよいでしょう。「どのようなニュース教材を選べばいいかわからない」「効率よく語彙を増やしたい」という方は、ぜひ一度エコール外語までご相談ください。一人ひとりのレベルに合わせたカリキュラムで合格をサポートします。>> 無料体験レッスンを試してみる英検の新しい級に関するよくある質問英検の新しい級について、よくある疑問にお答えします。既存の級の難易度や出題範囲は変わる?準2級プラス、6級、7級の新設によって、既存の級の出題範囲や難易度が変わることはありません。5級から1級までの級を受験しようと考えている方は、これまで通りの対策で問題ありません。過去問や既存の問題集も引き続き活用できますので、安心して学習を進めてください。準2級プラスと準2級、どちらを先に受けるべき?準2級プラスは準2級と2級の間に位置する級ですので、準2級に合格してから準2級プラスに挑戦するのが一般的な流れです。ただし、すでに準2級に合格している方や、2級の学習を進めている高校生であれば、いきなり準2級プラスに挑戦することも選択肢の一つです。自身の英語力と目標に合わせて受験する級を選択しましょう。英検4級・5級チャレンジキャンペーンとは?日本英語検定協会では、英語学習のスタートを支援する「英検4級・5級チャレンジキャンペーン」を実施しています。準会場での受験が対象で、条件を満たせば無償で再受験できる制度です。4級・5級から英検を始めたいと考えている方は、キャンペーンの詳細を英検公式サイトで確認してみてください。英検S-CBTでも準2級プラスを受験できる?準2級プラスは、従来型の英検だけでなく、英検S-CBTでも受験可能です。英検S-CBTは1日で4技能すべてを測定できる試験方式で、受験機会を増やしたい方に適しています。英検S-CBTの場合、同一検定回の期間中に同一級を最大3回申し込むことができるため、複数回のチャレンジも可能です。まとめ:英検の級が増えることで英語学習はどう変わる?英検に新しい級が追加されることで、学習者は自分のレベルに合った目標を設定しやすくなります。準2級プラスの導入により、準2級と2級の間にある「高い壁」を段階的に乗り越えられるようになりました。高校生にとっては、2級取得に向けた中間目標として活用でき、学習意欲の維持にもつながるでしょう。また、2026年度の第3回検定から導入される6級・7級は、小学生でも挑戦しやすい級として期待されています。英語学習の入口が広がることで、早い段階から成功体験を積み重ね、継続的な学習につなげることができます。英検は今後も学習指導要領の変化や社会のニーズに合わせて進化していくことが予想されます。最新情報は英検公式サイトで随時更新されていますので、受験を検討している方は定期的にチェックしておくことをおすすめします。自分に合った級を選び、着実にステップアップしていくことで、英語力の向上と資格取得の両方を実現していきましょう。新設される「準2級プラス」やリニューアル後の英検対策に不安はありませんか?エコール外語では、一人ひとりのレベルに合わせた指導で、着実なステップアップをサポートします。まずは無料体験で、現在のレベルや学習の悩みをご相談ください。まずは無料体験レッスンに参加する